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声優 立花慎之介さんTALK LIVE!!

2023/09/09

 

2023年8月6日(日)オープンキャンパスゲストデーを開催しました。ゲストとして「ブルーロック」 時光青志 役や「アイドリッシュセブン」千 役などでご活躍中の声優 立花慎之介さんをお招きしてのスペシャルトークライブを行い、声優やマンガ・イラスト・アニメーション業界を目指す中学生・高校生に向けて貴重なメッセージをいただきました。

 

その一部を掲載します。

 


 

 

MC:午前中は在学生向けの特別授業をしていただきましたがいかがでしたか?

 

立花さん:2年生の学生は声優プロダクションのオーディションを控えているという事でちょっと緊張してましたが、どういう所を気を付けたらいいかなどアドバイスさせていただきました。1年生はいわゆる模擬オーディションみたいなものが学校であるようで、「自己PRをどうしたらいいですか?」や、「緊張するのですがどうしたらいいですか?」などの質問にお答えさせていただきましたが、質問ありますか?と聞いた時にこのような質問がパッと出てくるのは、声優を目指す意思を持った方たち同士で勉強が出来ているという事なので良い環境だなと思いました。

 

 

MC:立花さんご自身が声優を目指されたきっかけを教えてください。

 

立花さん:僕が声優を目指し始めたのはもう25年くらい前の事で、当時の声優は裏方のお仕事で今ほど表に立つようなことはありませんでした。声優を特集する雑誌もなければ、「俳優のお仕事の中に声だけを使う声優というお仕事がある」というくくりでしたので、声優を専門とする学科などもありませんでした。インターネットも当時はなかったので情報を集めるのは大変でしたね。そんな中で、当時好きだった漫画の「ああっ女神さまっ」がアニメ化したのを観てとても感動したことが、声優を目指すきっかけでした。そのアニメのレーザーディスクをお小遣いで買って観たのですが、本当に泣くほど感動してしまって、その時初めて「アニメーションってすごいな」と思いました。そこからアニメというものに向き合ってみようと思い、当時出版されていた「アニメージュ」や「アニメディア」などの雑誌を買い情報を集めました。「今やっているアニメってこういうものがあるんだ」とか「こういうアニメがこの時間帯にやっているんだ」というのを調べ、だんだん声優さんというものが見えてきたその頃に、「声優グランプリ」の第一号が発売されました。それまで声優雑誌はありませんでしたので、そこで初めて声優雑誌を見て、今活躍している声優さんにどんな方がいらっしゃって、声優さんという仕事がどういったもので、声優になるためにはどうしたら良いかを知ることができました。

 

MC:デビュー20周年を迎えられたとの事で長く続けられる秘訣などありましたら教えてください。

 

立花さん:20年続けられてありがたいなと思うような職種ではありますね。目の前にある仕事をがむしゃらに、全力で乗り越えてきたと思います。僕自身はワーカホリックだったりするので、仕事をたくさんすることも好きですし、仕事を自分で作ってくるのも好きだったりします。声優さんの仕事は、昔はアニメの声優、ナレーション、海外映画の吹き替え、この三本柱だったりしたんですけど、この20年でかなり変わって、ケータイアプリやテレビでも取り上げていただいて表に出るお仕事があったりと色々増えて、そういったとこにも面白さを感じてます。今では声優というお仕事の中でお芝居だけではなく、歌って踊れたりトークができたり様々な才能を発揮する方達が現れて、色々な人にチャンスが増えた業界ではあるかなと思います。でも、長年生き残っていくためとなると、絶対的に必要なものは演技力という所は昔から変わっていません。デビューするきっかけは確かに増えていて、歌って踊れたり、声が特徴的だったり、トークが上手だったり何かしら一つ秀でているものがあれば結構簡単にできると思います。しかし声優というのはあくまで役者なので、最終的には演技力が求められます。なのでデビューしてから10年~20年お芝居の力を磨いていく事ができれば長年やっていけるのかなと思います。

 

 

MC:声優のお仕事でやりがいを感じる所はどんなところですか?

 

立花さん:コロナが流行り始める前はイベントもたくさんあって、ファンの方ともイベントを通して交流したり、自分の仕事を見てもらったり、そういうコミュニケーションの取り方がすごく好きでやりがいを感じていました。しかしコロナが流行り始めて気づいたのは、そういった非常事態になればエンタメ業界は真っ先に切られるという事です。こんな教科書にも載るような大きな出来事は、しばらくはないと信じていますが、この出来事をきっかけにこのお仕事の収録環境に大きな変化がありました。これまではとても省スペースなRECスタジオに15人程度の人が入り収録を行う事が普通でした。その上、換気もできない完全密室環境でのお仕事でしたが、コロナ禍ではそれができません。一人に対してマイク一本を用意して使い回さないであったり、同じ部屋に入れるのは二人までであったり、そのような制限がかけられました。「抜き録り」という収録方法で一人ひとりが別々でアフレコを行い、その方法で収録はでき、作品として成立していました。しかし、これは隣にいる人との掛け合いや、そこで生まれる生感といったお芝居本来のうま味を感じ切れず、それと同時に「そこが楽しかったんだな」という事に気づかされました。これまで当たり前すぎて何も感じてなかった事がふとなくなった時に、「やっぱり芝居するの好きだったんだな」と改めて思い、そこで朗読を始めてみたりもしました。コロナを経て一番のやりがいってやっぱり人とお芝居をすることだと思いましたね。

 

 

MC:朗読劇にも多数出演されていますが、朗読劇の楽しさや面白さなどお聞かせください。

 

立花さん:朗読劇自体は昔からありましたが、僕は天邪鬼なので朗読劇を一切やってこなかったんです「皆やってるからやりたくない」それだけの理由だったんですけど(笑) けれどコロナになりイベントなどがなくなった時に、朗読劇だけはあったんです。それは朗読劇がマイクを変えなくて少人数で成立して配信にも向いているエンタメだったからですね。実際に朗読劇はコロナ禍で増えたんです。その時にお芝居を生で掛け合えるのは「今朗読劇なんじゃない?」と思い、だったら今まで全然やってこなかったけど、ここで解禁して「一回やってみようかな」と思いやってみたらめちゃくちゃ楽しかったんですね!隣の人と生で芝居ができて「やっぱりこれだ!」と思いましたね。そこからは朗読劇に出させていただいている中でオファーも増えてきて今に至ります。だから朗読劇自体もコロナを経て進化して様々なアプローチの仕方があると思いますし地方で朗読劇を行うというコンテンツも出てきていて、朗読を通してその地方の方々と交流でき、とても良いコンテンツと思います。あと朗読であればお子さんからお年を召された方皆さんが見れるのでその面白さはありますね。

 

 

MC:仕事や仕事以外も含めて今後チャレンジしたい事があれば教えてください。

 

立花さん:新しいものに興味があったりするので、自分の根底にあるお芝居というものはこれからもやりつつ、時代の流れや世の名で注目されているものに注目することも大事なことだと思ってます。それこそ今もどこかで色々と問題になっていますが、だけど世の中の発展には必要である“AI”の話とかは声優業界にとって切っても切れない話になってきていると思います。少し前までAIはイラストレーター業界の方たちに関係ある問題だと思っていましたが、あっという間に声優業界や俳優業界にも影響を与えるようになりましたからね。芸能界全般に言える事ですが、どれだけ自分がこの仕事を続けたいなと思っていてもそのステージがなければ続けられません。「立花が欲しいな」と思ってもらえなければその機会はなくなってしまうので、これから先いつまでもお仕事に呼んでもらえたり、お声掛けしていただけるようなステージを作り続ける挑戦は、新しい事も含めてたくさん行っていきたいと思います。あと後進の育成も声優業界には必要な事だと思っています。僕らはどうしても年を取っていつかは引退なんてこともあると思うんです。これからも声優業界を盛り上げていくためには皆さんの持つ「若い力」が必要で、それなくしては業界自体が衰退してしまいます。後進の育成にはもっと力を入れていけたらなと思っています。

 

 

MC:最後にこの場にいる皆さんにメッセージお願いします。

 

立花さん:僕が声優を目指そうと思った時よりも声優としての仕事は非常に種類も増えていて、TVなどで「声優はギャラが安い」や「声優は稼げない仕事」と聞くこともあると思いますが、昔に比べたら全然新人さんでも稼げる時代になってます!これは間違いないです!それこそ20年前に僕が新人だった頃より今の新人さんの方がいっぱい稼いでます、そういう時代になりました。でもとても難しい仕事で、全員がそうではないということも確かです。だからこそ僕はとてもやりがいを感じますし、「負けたくないな!」と思っていますので、いつまでも勉強や努力をしなくてはいけない業界ですが、その先にやりたい事や世界があり、20年やってきて「とても頑張れたな」「楽しかったな、これから先も続けていきたいな!」そう思える業界です。これから声優を目指そうとされてる方も、いきなり東京に行くとなると親御様が心配されるかと思いますが、今は地元にも声優の勉強を学べる専門学校がこうしてあります。僕が岐阜にいた頃は東京に行くしか選択肢がなかったので、今こうして地元に学べる環境があるのであれば上手に使って、一度挑戦させてあげても良いんじゃないかなって思います。是非、お子さんとしっかりお話をして、チャレンジしていただけたらなと思います。そしてもし、これから専門学校や養成所を経て皆さんがプロになるのに5~6年はかかると思いますが、僕も声優を25年、30年とやっていくつもりでいますので、いつか同じスタジオでお仕事がしたいと思っています!是非頑張ってください!待ってます!

 

 

立花さん、本当にありがとうございました!!

 

 


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