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声優 興津和幸さんTALK LIVE!!(2021.11.14 音楽とアニメの学園祭CAT伝説2021)

2021/12/22

11/14(日)の音楽とアニメの学園祭CAT伝説2021にて、「ジョゼと虎と魚たち」 松浦隼人 役、「NIGHT HEAD 2041」 曽根崎道夫 役、「フルーツバスケット」 草摩はとり 役、「アイドリッシュセブン」 大神万理 役、「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」 吉田 役、「ジョジョの奇妙な冒険」 ジョナサン・ジョースター 役などでご活躍中の興津和幸さんをお招きし、トークライブを開催いたしました!

 


 

 

 

校内を事前に回っていただいたとのことですが、いかがでしたか?

 

興津和幸さん:凄いイラストがいっぱいありましたよ。卒業制作でアニメーション作品をアニメーション学科と声優学科の学生が一緒に作るんですね。すごいスタジオありましたし。楽しいですね、そういうの。

 

声優学科の学生は、70社の事務所・プロダクションが集まってこのホールでオーディションをするらしいですね。2年生は試験も終わったと聞きました。1年生もあと1年頑張って!1年あっという間だから。

 

 

本日は学園祭ということで、さまざまなコンテンツや掲示などもしております。

 

興津和幸さん:Twitterを見て知ったのですが、電子紙芝居に生アフレコするっていう『パンダー5』が見たかったんです!!どんなもんか!ってね。新作の『トロール』というのもあるらしく、めっちゃ気になってるんです。

 

 

本日はオープンキャンパスも併催されており、声優やアニメーター、イラストレーターを目指す在校生・高校生が会場にいます。興津さんは学生時代はどのような学生でしたか?

 

興津和幸さん:アニメオタクでした。でもオタクという言葉がまだ浸透していなかった頃、22・23年前ですか、エヴァンゲリオンの頃です。やっとエヴァンゲリオンが完結して、ついに終わるんやって思ったタイミングで、映画にちょっとだけなんですが出演させていただけて、なんかもうやりきったと思って。一番好きなアニメがずっと続いてたら憧れだったあの作品に出れるみたいなことがあるんやなあって思いましたよね。

 

ゲームもそうですね。サターンとプレイステーションの時代ですね。PCエンジンも大好きでした。今だとアプリゲームでスマホの中にキャラクターがいて、大体喋るじゃないですか。当時は喋り始めの頃で「うわめっちゃ喋るやん!」って思ってました。紙芝居みたいな感じの時代でしたけど。でも「ゲームもやっぱり楽しいな、ゲームの声の仕事もしたいな」と思ってました。

 

 

趣味としてアニメーションやゲームにのめり込む時期があったとのことですが、部活動はされていましたか?

 

興津和幸さん:放送部でした。実は小学校の頃から声優になりたかったんですよ。でも当時は「声優って何?」って感じで。「そんな仕事あるの?漫画の声すんのん?何なん?」みたいな。声優になりたいけど、父親に「漫画の仕事をしたいんだったら線を描きなさい」と言われて。「線は描かない。僕は絵は描かない」って説明してました。お芝居をしたかったんですけど、僕は淡路島の出身で、なかなかお芝居する場所がなかったので。だから学校の学芸会とか文化祭とか、そういう時に極力率先して出てましたね。

 

 

放送部の経験ですとか高校時代もあっての声優業界、具体的にどういう風に進まれたのでしょうか?

 

興津和幸さん:高校生で放送部入りましてなかなかの優秀な成績を収めたんですよ。県では1位だったんです。兵庫県で僕は1位の男なんです!

 

(会場拍手)

 

興津和幸さん:ありがとうございます。拍手タイムありがとうございます。そのタイミングがちょうど夏の甲子園の司会を高校生にやってもらおうという、第一回目だったんですよ。だから運良く開会式で司会して、マスコミの人に囲まれて。「俺すごいんちゃう?」って。いやぁ、あのときが僕の人生のピークだったんです。そこからスーッて落ちていくんですよ。波に乗れるか乗れないかっていうのはまた別の話ですし。アナウンスはアナウンスで、アナウンスを勉強しすぎたが故に、感情を乗せても綺麗すぎるっていう。「綺麗すぎるわぁ。もっと乗せて!もうちょっと汚くして」とか、そういうことはやっぱりお芝居になってくると必要なので。丁寧過ぎた。聞き取りやすくってなっていて。それをあえて今度は崩していく作業が必要でした。

 

高校卒業してからは大学と養成所に通っていたんです。で、その養成所のオーディション受かって東京出てきて。東京出てきたんですけど、そこの事務所ができたばかりの事務所だったんで、雲行き怪しくなっちゃって。ほんと波乱万丈なんですけど。事務所入ったときは仕事できると思ってたんですよ。他の人より全然俺上手いし、何でもできるし。絶対俺行けるって思ったんですけど、そんな世の中甘くなくてね。普通に喋っている人たちがめちゃめちゃすごいということに気づくのに、だいぶ時間がかかりましたよね。面白くないことをしている人たちがどれだけすごいかっていう。そうじゃない人たちのことを「普通」「地味なことをしてますやん!」って思ってたんですけど、地味が一番できないんですよね。それが出来ないから仕事をもらえなくて、地獄の1年やと思いましけどね。

 

ある時「お前声がまだダメだから、ちょっと全国を回ってこい」って言われて。ワゴン車に6人乗って、日本中の小学校中学校に3ヶ月ぐらい公演に行きました。月曜から金曜まで行って、土日だけ帰ってきて。地獄ですよ。でも「大先輩もやったんやから!先輩も通った道だから!」って言われて。でも大分鍛えられましたよ。メンタルが。

 

 

小学生の頃から声優を志していた興津さんの視点から「高校に通っている間にこういうこと頑張っておくといい」というものはありますか?

 

興津和幸さん:高校時代、放送部でラジオドラマを作ったんですよ。ほとんど一人で。それはめちゃめちゃいい経験になりました。脚本を書いて、音も付けて、お芝居もほとんど自分でやって。それをやると大変なのがわかるじゃないですか。どうしたらうまくできるのか、いい作品ができるかっていうのを自分で体験するわけです。そしたら「スタッフさんがどういうものを求めているのかな」とか、「こういうことするとスタッフさんは困るんやな」とか、周りがどういうのを考えてお芝居してくださいって言っているのかとか。モノづくりの基本を自分で身につけておけてすごい良かったと思います。今は簡単に録音ができるし、この学校はスタジオもありますよね。めっちゃいいスタジオでしたよ。在学中から場慣れができるって大事。

 

 

アニメをよく見ていたことで声優業に生きたことはありますか?

 

興津和幸さん:意外とアニメってゆっくり喋っているんですよ。実際真似してみるとわかるんですけど、そのペースに適応できるだけの肺活量と筋肉量がなかなかできないです。息が足りないから、同じペースで喋ったら、私の方が先に終わってしまうんですよ。でもそれって息が苦しいから早口になっているのであって。苦しくならないようにやっぱり体を鍛えて、肺活量を増やして。空気がすぐに抜けないようにお腹で支えるっていうのが必要なんですよ。でもそれってそんなに簡単にできないので、早いうちにやっておくと後でめちゃめちゃ有利です。たぶん卒業して事務所入るとレッスンは週1以上あるでしょう?所属になったらレッスンないので自分でやらなきゃいけないでしょう。でもやらないでしょう。やらないんです。だって面倒くさいもん。しんどいし。でも最初からみんなが学校にいるときにやっておけば、ある程度にやらなくてもそんなに衰えないから。早いうちに。今のうちに筋力から肉体は鍛えといた方がいいですよ。積み重ねていくもんだから。「明後日歌録りますんでよろしく」って言われても、急に肺活量増えないじゃないですか。ロングブレスで20秒とか言われても。いや無理ですよという話ですから。そういう基礎的なことって別にいつからでもできるので。高校生の方も。本当になりたいんだったら絶対今からやっておいた方がいいですよ。

 

 

 

興津さんご自身は役作りされていく中で、キャラクターの演じ分けでは、どういったところに気を使っていらっしゃいますか?

 

興津和幸さん: そのキャラクターがいますからね、その作品の中で。それぞれ全員違う人なので。別にそれぞれの役に向き合うだけでいいわけです。一緒って考えること自体が。その世界にその人一人しかいないんですよ。オンリーワンなんですよ。一人しかいないじゃないですか。だからそこまでちゃんと考えておけば。あとはその声を出す作業の際に、どんな声が出る骨格になっているかなとか。そういうところにつなげていく。この人はいつもどういう姿勢で喋っているのかなとか、姿勢悪いのかな、いいのかなとか。胸張ってるのかな、張ってないのかなとか。そういうところを想像してそういう格好をしてやればいいんです。マイクから外れなければ。

 

 

最後に会場内にいらっしゃいます声優・マンガ・アニメーション業界を目指している、興味を持って進路として悩んでいらっしゃる方に向けて、メッセージを一言興津さんから頂戴したいと思います。

 

興津和幸さん:オーディションもあるんですけど、オーディションがない仕事もあるんです。オーディションがなくても仕事が取れるようになったら一人前だと思うんですけど、まずはオーディションなんですよ。オーディションに受かったら優しくディレクターはお世話してくれるんですけど、オーディション受からずに現場に放り込まれると「お前何しに出てきてんねん」って「V見てんのかー」って。「いらん!帰れー!」って言われるんですよ。だからその自分の中の個性をどれだけ持って、ヘタクソでもいい。興味を持たせる何かをスタッフに見せることができたら、「あ、何か面白いことしてくれそう。この子はもうちょっと見たいな」となるんですね。それが一番大事なんです。ヘタクソなのはみんなヘタクソなので。僕も自分のことはヘタクソだと思っているし、ずっと悩み続けて生きていくんやって思っているんですね。だから何かできないって悩む暇があったら、何か自分で努力して面白いものを作ろうという気持ちでどんどんやっていけたらなと思います。心は折らないようにしましょう。心はすぐ折れるんですけど、折れたからって折れたままだったらもう終わりなんで。折れて当たり前だと思って、とにかく自分でやると決めたらどんどんどんどん前に面白いことをやろうって積極的にやっていったほうがいいと思います。特に学校にいるうちは。思った以上に何やっても大丈夫だと思うので。先生たちが支えてくれると思うんで。現場出ると誰も支えてくれないんで。なので今のうちに思う存分自分の面白いことを見つけてみてください。ありがとうございました。

 

お父さんお母さんに感謝して、頑張ってください。いつかまたお会いしましょう。興津和幸でした。ありがとうございました。

 

 

文章ではお伝えできないMCとの絶妙な掛け合いも楽しい時間でした。興津和幸さん、ありがとうございました!

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