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声優 平田広明さん TALK LIVE!!

2019/04/15

 

3/30(土)のオープンキャンパスにて、TVアニメ「ONE PIECE」サンジ役 /「宇宙兄弟」南波六太役/「TIGER & BUNNY」鏑木・T・虎徹(ワイルドタイガー)役/「逆転裁判」ゴドー役、洋画「パイレーツ・オブ・カリビアン シリーズ」ジャック・スパロウ役/「ファンタスティック・ビースト シリーズ」グリンデルバルド役の他、ジョニー・デップの吹き替え、その他たくさんのアニメや外画吹き替え等でご活躍中の平田広明さんをお招きし、在校生、中高生向けのトークショーが開催されました!

 

 

司会:本日、本校に初めてお越しいただきましたが、印象をお聞かせください。

平田広明(以下、平田)最近の学校は設備がすごいですね。みなさんここで勉強して社会に出てもあまり感動ないと思いますよ。すべてここにあるような施設のところでやってますから。それくらいすごい施設だなと思います。

 

司会:平田さんご自身は舞台活動、演劇の方も携われていらっしゃいますが、お芝居(身体表現)を学ぶことによって、後々音声表現に活かされていく部分はどういったところでしょうか。

平田:「声優というのは俳優の一部である」と思っています。声は俳優として使う部分の一部ですので、身体表現・全体で表現ができないと、最終的に声だけで演じて魅せることができないというのが僕の考えです。伺ったところ、(大阪アニカレでは)舞台の授業もあって発表会もあるっていうので、僕はそこを大事にすべきなんじゃないかなと考えています。

 

司会:音声表現で役を演じられる際にポイントとされてるようなところはありますでしょうか?

平田:大体アニメも吹き替えも同じようなスタジオで同じような手法でやりますけれども、共通して大事にしているのはやっぱり距離感ですね。ただ相手役との距離だけではなく、そこがうるさいところなのか、駅の構内なのか、静かな夜の牧場なのかなどで声を出す距離感、相手にかけなきゃいけない圧ってのは変わってきます。もうひとついうと、同じ条件でも相手の耳がこっちに向いてるか、他に注意がいってるかでもボリュームや圧を変えないと相手には伝わらないっていうことを徹底的にやらなきゃいけないのが声の仕事です。

 

 

司会:アニメーションの収録と吹き替え収録の場合、お芝居のやり方は変わりますか?また、収録方法の違いなどをお話いただけますか。

平田:吹き替えとアニメで演じ方が一番違うのは、まず外画は殆どの場合完成品であるということです。俳優さんは細切れに撮影しますし、BGM聞きながらお芝居するわけじゃない、もっと言うとブルーバックでCG用のセットの中で撮ったりする場合もありますが、僕らは全部できあがった映像の中で声を入れるんです。そこの世界観をしっかりとらえて、向こうの俳優さんに呼吸から合わせていくっていうことはとても大事だと思います。

アニメは外画ほどリアルに人物を表現して描かれていることは少ないですし、残念なことに画が100%入った状態で声を入れられる機会はほとんどないです。よくて線画、ひどいとコンテ撮(絵コンテを撮影したもの)で声を入れなきゃいけないこともあります。二次元の世界のものを立体化するときに一番重要なのが、声優の声と効果音だと考えてますので、外画と違って冷静に観察してリアルに模倣するというよりは、自分たちで作り上げる、創作するというつもりがあったほうがいいのかもしれないですね。

 

司会: このお仕事を長年続けてきて一番幸せを感じる瞬間はどんなときですか?

平田:お客さんたちと作品を共有できたときですね。こっちは声優の仕事という提供側の人間で、みなさんは受け手の人間で、立場こそ違うんですけど同じ作品、同じ感動を共有できたっていうときは一番嬉しいです。

 

司会:会場内にいらっしゃる方はアニメーションをつくりたい、イラストを書きたい、声優でお仕事をしていきたいと、エンタメ業界へ携わっていきたいという思いを持っていらっしゃる方々です。そういったエンタメ業界全般への興味を持っている中高生のみなさん、そして具体的にその道に進みたいとこの学校に入学している在校生たちに、今のうちにやっておくといいということを教えてください。

平田:いろんなものを見たほうがいいですね。お芝居でもオペラでも、一流のものをできれば生で見られると一番いいんですけども。一流のものは高かったりするので、若いうちはDVDでもなんでもいいので一流と言われるもの、いいものをいっぱい見て目を肥やしておくということです。

ずっとずっと続けていくためには、「こんな面白い作品ある?」「ねえみんな見て」って、人に伝えたいというエネルギーを常に持ってないと、ただ声をあててるだけでは作品になりません。そのためには自分が感動する、何を見ても感動できるアンテナをいっぱい持ってたほうがいいと思います。「つまんねえなぁ」「こんなんじゃだめだ。私だったらもっともっとおもしろくできる」っていうような批判的な感動も含めてですよ。いろんなものを吸収してそれを「ねえ聞いて聞いて」っていうエネルギーに変えていくことができると思うので、いっぱいいろんなもの見たほうがいいです。人に伝えたくなってからがスタート地点ですから。

 

 

司会:では最後に、声優業界、アニメ業界を目指す中高生・在校生に向けてメッセージをお願いします。

平田:重複しますけど、とにかく伝えたいって気持ちを持ち続ける人になってほしい。声優には級とか段とかないし、売れっ子になる人もいればそうじゃない人もいる、下手なのに売れてる人もいれば上手いのに売れてない人もいる。この世界はとっても不公平な世界です。

実は一度なったらずっとぬくぬくといられる世界なんですよ。それがとっても怖い世界で。最近は人気の職業になって狭き門ではあるんですけれども、なってからが結構大変です。だから今言ったように、ずっと前を見続けていられるか。そうでないと、前を見続けられない子達同士で徒党を組むと、居心地の良い世界が出来上がっちゃう。そういう子たちはいずれ消えるからね。

僕も「あの先輩みたいな役者になりたい」、そういうことを考えながらやってます。目標は遠いところに置いといたほうがいい。声優になりたいだけの夢だと、声優になったらもう後は余生を送るだけになるから。「こういう声優になりたい」「どうしたらあの人みたいな芝居できるのかな?」って到底かなわないような人を目標にすれば、追いつかないような状況でやり続けていられますね。目標は高くもっておくといいです。

 

途中、在校生が描いたウエルカムボードの話題にもなり「あの手配書はやめろ(笑)。でもありがとう」とお礼を言ってくださいました。

また、トークショーの最後は名前入りのサイン色紙を手渡しでプレゼントしてくださいました!

 

 


 

【演技指導】

後半の演技指導では、挙手制で選ばれた在校生が平田さんから演技指導をしていただけるという内容でした。なんと中高生からも希望者が出て選ばれていました。

 

 

平田さんはその場で初めて見た台本から即座に情報を読み取り、一人ひとり演技指導をしてくださいました。

「台本に書いてあるト書きの情報から、出てくる出演者たちとの人間関係を作ることまで含めて本を読むということ」と、役作りをする上で大切なアドバイスをもらいました。

 

 

平田広明さん、本当にありがとうございました!

 

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